有川浩について
公的機関が好きなのだろうか。
批判でも賞賛でもなく、
有川浩の作品を好きでそれなりに読んできた上で生まれた、ただのフラットな感想。
というのも、
自衛隊三部作、「空飛ぶ広報室」、「県庁おもてなし課」など、公務員を主人公にした小説が多い気がするからだ。
実在の機関だけでは飽き足らず、「図書館戦争」シリーズでは、架空の「関東図書隊」を、組織構造など膨大で詳細な設定を含めて作り上げた。
自衛隊三部作はファンタジー色が強い一方、広報室とおもてなし課は「実際にありそう」と思わせるリアリティがあったりと、ストーリーは様々だが、
いずれも、「公務員は一般の人になかなか理解してもらえない大変なことも多いけど、一生懸命頑張ってます」というメッセージが込められているように思う。
何のあとがきだったか忘れてしまったが、
「戦うかっこいい大人たちが問題を解決していく、ゴジラのような物語を書きたい」
というようなことを書いていた記憶がある。
その1つの舞台として便利なのが、公的機関なのだろうか。
有川氏の好み(いい意味での性癖)がそこにあることは、確信できる。